研究会報告

第1回 12誘導心電図伝送を考える会 報告

平成26(2014)年2月23日(日) 東京・品川・TKPカンファレンス品川

●10:30- 10:45 研究会設立の趣旨説明  野々木宏先生(静岡県立総合病院)

急性冠症候群の予後改善のためには発症からプレホスピタルを経て再灌流療法までの一貫したケアの重要性が認識され先生ご自身が10年以上も前に開発された非常に先進的なシステム・モバイルテレメディシンの成果をはじめとする歴史的な経緯と実現方法がまだわが国においても十分でない現状を改善していくため多職種が一同に会する研究会の必要性が述べられました。

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●10:45-11:50 横浜市の取り組み

座長:野々木宏先生(静岡県立総合病院)、藤田英雄先生(東京大学)

わが国で先進的に唯一1995(平成7)年の早期から救急車からの12誘導心電図伝送を実現し、今や12誘導心電図を救急隊が読影してトリアージ・施設選定までを行うシステム確立までを成し遂げられました横浜市・横浜市立大学を中心とした横浜心疾患研究会。

横浜市の12誘導心電図伝送が結局は搬送時間、Door-to-balloon timeを短縮したことが詳細な分析により明らかになりました。まだ、2次病院を経由して大幅な遅延をきたした症例が少なからずあり、救急車の使用の啓発が課題と述べられました。

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●12:00-12:45 12誘導心電図伝送に関する国際的勧告、JRCガイドライン、エビデンス紹介 (ランチョンセミナー)     田原良雄先生(横浜市立大学循環器内科)

田原先生よりプレホスピタルに関する膨大な国内外のエビデンスが紹介され、病院前(プレホスピタル)12誘導心電図はすでに ACCF/AHAガイドラインにClass Iとして勧告されており わが国のJRFガイドライン2010でも優先順位をあげて取り上げられた経緯をご講演いただきました。

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●13:00-13:45 モバイルクラウド心電図 

座長 野々木宏先生(静岡県立総合病院)、木村一雄先生(横浜市立大学循環器内科)

午後セッションの新たな取り組みとして、新しく開発されたモバイル・クラウド技術を用いた簡便なシステム「モバイルクラウド心電図」 臨床的な観点からの開発経緯が述べられ、これをドクターカーで用いDoor-to-balloon短縮効果をはじめて実証した北里大学の成果、医療的・地理的にも厳しい特徴をもつ大分県で竹田市消防の救急隊に使用した実証試験の経過について発表がありました。

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●14:00-14:15モバイルテレメディシン       

座長 野々木宏先生(静岡県立総合病院)、黒田泰弘先生(香川大学医学部救急災害医学)

モバイルテレメディシン活用の経験  横山広行先生(国立循環器病センター)

2002(平成14)年より、わが国初の産学官あげての先進的取り組み、国立循環器病センターを中心に行われたモバイルテレメディシンの成果とまとめを横山先生にご講演いただきました。当時より12誘導心電図や現場動画がリアルタイムに伝送される画期的な仕様でしたがコスト高が課題とのご発表でした。

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●14:15-14:30  ワイアレス心電図 

ワイヤレス心電図 栃木県ドクターヘリ  西山佳孝先生(獨協医科大学 心臓・血管内科)

栃木県におけるドクターヘリの運用と急性冠症候群への取り組み、新開発のワイアレス心電図伝送システム富士の国を用いた先進的な取り組みにつき発表がありました。

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●14:30-15:00 アンケート調査報告と今後の展開   野々木宏先生(静岡県立総合病院)

今回会の開催前にプレホスピタル12誘導心電図についての全国的なアンケートが行われましたが実際に導入で・運用ができている施設はかなり少ない現状と今後の課題が浮き彫りとなりました。

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第一回研究会は盛会裡に終了しました。

 

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